大河ドラマ「いだてん」第26話、日本初の女性オリンピックメダリスト誕生！

いだてん26話「明日なき暴走」が放送されましたのでレビューを。

今作は1928年のアムステルダムオリンピックが舞台。
日本人として初めて女子アスリートとして参加した人見絹枝の活躍が主に描かれました。

第26話のストーリー

一悶着ありながらもアムステルダムオリンピックに女子アスリートとしてたった一人選ばれた人見絹枝（菅原小春さん演）。
国内で圧倒的な力を見せつけながらも、期待しない脚光の浴び方をされてしまいます。

強すぎるがため「バケモノ」と呼ばれ、本人もひどく落ち込みますが、二階堂体操塾（現：日本女子体育大学）の恩師・二階堂トクヨ（寺島しのぶさん演）に励まされ、日本女子アスリートの未来をたった一人背負い込み一路アムステルダムへ。
かつて、三島弥彦（生田斗真さん演）と金栗四三（中村勘九郎さん演）が二人でストックホルムへ旅立った時と同じく、シベリア鉄道での旅でした。

ドラマでは100メートル1本に絞って参加しているようでしたが、他に円盤投げ、走高跳、そしてメダルを獲得した800メートルにはもともとエントリーをしていたとされます。
しかし、一番期待度も高く、本人も力を入れていたのは100メートル。

ドラマでプレッシャーに押しつぶされるように、4着敗退が大きく扱われていましたが、これも実際は1次予選は1着でクリアしたものの、決勝進出をかけた準決勝での話になります。

さて史実はここまでとして、実際に絹枝の苦悩は相当なものだったのでしょう。
100メートルで惨敗した後の控えルームで、男子選手に「あなたたちは負けても帰ることが出来る。私には帰る場所がない。」といった意味のセリフや、「私の責任で女子スポーツの未来を閉ざすことになる」といった悲壮感。
選手にも女子選手が他にいなく、何気ない同性同士の会話も出来ないわけですから、相当なストレスもたまっていたのだろうと思います。

絹枝はその悲壮感漂う中、経験がほとんどなかった800メートル走で激走。
見事世界新記録を更新する好タイムで銀メダルを獲得しました。
かつて、三島が「100年経っても短距離で日本人は欧米人に敵わない・・・」と言いましたが、それからわずか10年ほどで短距離ではありませんが、見事、トラック競技で欧米人に肩を並べたわけですから凄いことですね。

しかもまだ当時は、今ほど競技環境も良くないわけですし、選手もコーチも皆手探りだったわけですから。

絹枝の活躍に刺激されるように、織田幹夫が三段跳びで日本人初の金メダルを獲得鶴田義行も金メダル人見絹枝を演じる菅原小春さんは、この役が初めての演技とありますが、迫真の演技でした。
これからますます演技の方でも力を発揮されそうですが、テレビだけでなく舞台の方でも面白いかもしれません。

絹枝はこのオリンピックの3年後、大阪で病に倒れわずか24歳でこの世を去ります。
「いだてん」からもこれでお役御免といったところでしょう。

次回の予告編では金栗四三の兄・実次（中村獅童さん演）が亡くなられ、熊本に帰るシーンがありました。
実際に一度熊本に帰り、その後1940年の幻の東京オリンピック招致のために、再度上京することになるのですが、これにて本当に1部の主要な登場人物は一旦引き上げになりそう。

さらに、阿部サダヲさんの「マーちゃん」が全開でドラマ終盤に向けて爆走しそうな予感です。
どんな物語後半になっていくのか、ますます目が離せませんよ。

「いだてん」視聴率推移表

全開視聴率はやや戻り気味でしたが、今回はまたも7パーセント台に。
このままだと、素晴らしい作品だと思うのですが「いだてん」は、大河ドラマの黒歴史として語られてしまうのはとても悲しいですね・・・

なんとか私も微力中の微力にしかすぎませんが、このブログ等で面白さを伝えていきたいと思います。